建材の販売業を営む会社の破産管財人を担当した事例

<破産申立てに至る経緯>

建材の販売業を営んでいた会社が、建築工事の減少等により経営が悪化し事業停止となりました。

負債額は約5000万円ありました。

債権者の多くは、金融機関や仕入れ業者等でした。

<破産管財人として行った業務>

破産管財人の業務は、多岐にわたりましたが、本件では破産会社が所有している不動産について、抵当権者である金融機関と折衝した結果、任意売却することができました。

また、本件では、破産会社の代表者の自宅不動産についても抵当権が設定されていましたが、この不動産についても抵当権者である金融機関と折衝し、保証債務を負っていない親類に買い取ってもらう方法での任意売却をすることができました。

その結果、代表者は破産後も引き続き自宅に住み続けることが可能となりました。

<最終的な解決内容>

本件では、不動産の任意売却により一定の破産財団を形成することができました。

公租公課や労働債権を弁済した上で、なお余剰がありましたので一般債権者に対しても配当を実施することができました。

<本件のポイント>

本件では、抵当権付きの不動産の任意売却及び抵当権の抹消に成功したことがポイントです。

抵当権者である金融機関に対し任意売却に応じてもらうためには、適正価格での買受希望者を探すことが重要です。

本件では、不動産業者の他、金融機関にも取引先等をあたってもらい、買受希望者を見つけ出すことができました。

また、代表者個人所有の自宅については、経済力のある親類がいたことから、適正額で買い取ってもらうことができました。

会社代表者が破産後も自宅に住み続けたいという要望は多くあります。

破産に至った場合に自宅に住み続けるためには、保証債務を負っていない家族や親類に買い取ってもらう方法があります。

本件はかかる方法が成功した例といえるでしょう。